May 27, 2009
クレジットカードとの気持ちが大きくなってしまう
私はクレジットカード派です。現金を持っていないものもありますが、どうせ支払う場合、クレジットカードでお支払いのポイントが集まれば、よりもうけのだろうかという気持ちがあります。ただし、クレジットカードの怖いのは、現金を提供する行為がないので、ついつい買い物も気が大きくなって、大きな買い物を停止してしまうところです。ヨーロッパでは、特別なIDカードが登場しています。日本の技術は進化して、海外に誇れるものもありますが、海外でのIDカードが普及していない場合は、あまり意味がありません。欧州では相対的にIDカードが普及しており、日本の技術を導入するという考えもあるようです。しかし、国民IDカードの温度差がすべての国では普及は難しいでしょう。
東急リアル・エステート投資法人(東急REIT)を運用する東急リアル・エステート・インベストメント・マネジメント株式会社(東急REIM)が東京急行電鉄株式会社(東急電鉄)の単独出資に変更になる。現状は、東急電鉄60%、東急不動産株式会社(東急不動産)40%出資の運用会社。東急電鉄と東急不動産の間で、東急REIMの株式譲渡契約の締結、東急REITの規約の一部変更などの手続きを経て、2011年6月をメドに東急REITは、東急電鉄が100%スポンサードするREITになる。スポンサー再構築に至った経緯と、スポンサーの変更の影響について、東急REIM代表取締役執行役員社長の堀江正博氏に聞いた。
――今回のスポンサーの再構築において、東急不動産が外れるが、不動産運用の専門性は確保できるのか?
東急グループにおいて、東急不動産が不動産専業会社であることは間違いがないが、東急電鉄の不動産部門の規模も大きく、古くから東急沿線で不動産開発事業を手広く行っている。
そもそも、東急電鉄はその前身が田園都市株式会社というデベロッパーであり、その後目黒蒲田電鉄株式会社などと合併して今日に至っている。創業時から不動産開発と鉄道・バスが事業の両輪だった。ちょうど関東大震災の後に、震災に強い街づくりをコンセプトに、沿線の田園調布や洗足地区の開発が始まり、その開発事業が東急電鉄のコア事業でもあった。
東急電鉄は「足を持ったデベロッパー」と言われており、鉄道建設と街づくりとを一体で手がけた「東急多摩田園都市」の開発は、民間主体の街づくりとしては国内最大規模で、開発総面積約5,000ヘクタールにおよび、人口は約60万人を誇っている。
「東急REIT」が投資するオフィスビルや商業施設についても、東急電鉄には長年の経験がある。渋谷マークシティ、セルリアンタワー、渋谷ヒカリエなどの渋谷地区の開発事業の他、東急キャピトルタワー、たまプラーザ テラス、二子玉川ライズなどのプロジェクトは、東急電鉄が単独または中心となって進めている。このような経験を背景にして、デベロッパーとしてのREITのスポンサー能力は、東急電鉄にも十分備わっている。
――物件取得などの面で、不利になることはないか?
REITとしてスポンサーにどの程度の依存をしているのかという観点では、「東急REIT」が2011年1月末現在に保有している25物件(1,946億円)のうち、東急グループから取得した物件は約半分の12物件(958億円)にすぎない。このうち東急不動産グループから購入したのは3物件(182億円)である。「東急REIT」は利害関係人であるスポンサーとは、適切な距離感を保ったほうが良いという考え方に基づいて、スポンサーからの取得と、市場からの物件の取得をバランスよく行ってきた。この方針はスポンサーシップ再構築後も変わらない。
物件のソーシングという点では、これまでの実績で判断すれば、東急不動産がスポンサーから外れることのデメリットは、それほど大きくはない。しかしながらパイプラインは1本より2本の方が良いという意見もあるだろう。そこで、これから200億円を上限に東急REITは東急不動産から売却物件に関する情報提供を得るという移行措置を設けた。
東急不動産は東急沿線から都心にシフトしつつも、直近でも大阪の阿倍野で大型商業施設を開発するなど大手デベロッパーとして全国で広く開発案件を手掛けている。この意味では東急不動産がこれから開発を進めていくエリアと、「東急REIT」が重点取得する物件のエリアが必ずしも一致しなくなる。一方、東急電鉄が今後ともにビジネスを展開していくコアエリアは、東急沿線であり都心5区なので、「東急REIT」の主要投資エリアと一致している。
――「東急REIT」が東京都心や東急沿線など比較的狭いエリアに投資する狙いは?
「東急REIT」には、都心5区地域と東急沿線地域に85%以上を投資するという運用基準がある。比較的狭いエリアに投資対象地域を限定しているのは、「循環再投資モデル」というビジネスモデルの考え方に立っているからだ。たとえば、東急電鉄から物件を購入すると、その資金は東急電鉄の設備投資の形をとって都心と沿線に再投資される。例えば、沿線地域の再開発事業、また鉄道の輸送力増強工事や交通ネットワーク強化などに投資され、地域の利便性が向上し、結果として不動産価値を高めることになる。それは、「東急REIT」が投資しているエリアのバリューが上がることであり、投資している物件の評価にもプラスに働く。このモデルは、他のREITにはないユニークなモデルであって内外の投資家から高く評価していただいている。この考え方は、堅持したい。
一方で「東急REIT」の投資エリアを広げるというオプションも、理屈上はあった。東急不動産が全国に不動産を有していることから、技術的には実行が可能な案ではある。しかしながら「首都圏限定」、「循環再投資モデル」という「東急REIT」の運用モデルを変えるわけにはいかないという判断をした。結果的に、東急不動産は単独でREITを設立し、「東急REIT」とは異なる運用コンセプトを提供することになった。
――スポンサー再構築によって、「東急REIT」の運用は変わるのか?
運用方針や戦略の深化と東急電鉄のコミットメントの強化があること以外は変わらない。独立社外役員に厳しくチェックして頂いているガバナンスの仕組みも当然に堅持する。
「東急REIT」には、7年間を超える経験がある。この7年で不動産市況は一巡した。さらなる投資主価値の向上をめざして、この経験を今後の運用に活かすため、より深化した投資戦略として「長期投資運用戦略(サーフプラン)」を2009年9月に発表した。これに基づき、ポートフォリオを若返らせながら、長期的に保有不動産の価値を向上させる運用を行っている。スポンサーシップの再構築も次の10年を見据えた施策のひとつだ。
もとより、東急電鉄と東急不動産では、投資から回収までの期間の長さが異なると見ている。東急電鉄は不動産事業及び鉄道事業を主とする会社であり、東急沿線がコアエリアであることから、東急不動産に比べると、投資回収期間は自ずと長くなる。投資回収期間の長さの違いは、物件に対する評価や考え方にも表れてくる。「サーフプラン」の発想は、20〜30年の長期プランであり、投資回収期間の長さという点では、東急電鉄のスタンスに似た運用プランだ。
――IPOの時にそもそも何故2社が共同して「東急REIT」のスポンサーになったのか?
当時はJ−REIT市場がスタートしたばかりで、厳しい時期であり、2社のノウハウの結集が必要だった時期であった。実際にこの7年間のスポンサー2社体制は、うまく機能した。市場の評価にも現れている。日本の不動産市況に復調の兆しが現れるなかで、東急不動産は新たにREITを立ち上げる計画を持った。東急不動産が立ち上げるREITには、REIT市場が再拡大する象徴として頑張ってほしい。
――今後のスケジュールは?
「東急REIT」の投資口のうち、東急不動産が保有している投資口は東急電鉄が買い取る。また、東急REIMの株式は譲渡契約に基づいて東急不動産から東急電鉄に売却させることになる。投資主総会の決議に基づいて「東急REIT」の規約を一部変更する手続きを行う。3月に投資主総会の招集通知を発送し、4月に総会を開催する予定だ。
2011年1月末現在、41名の人員のうち、東急不動産からの出向者は7名。これから1年強をかけて引継ぎをしながら段階的に入れ替わることで、運用業務に支障がないようにする。今後も、運用態勢の充実も図り、投資主の皆様の期待にこれまで以上にお応えしていきたい。(聞き手・編集担当:徳永浩)
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