Mar 05, 2009

つるつるのレーザー脱毛

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 Googleは、ハイチ大地震で初めて「Person Finder」を世に出した。中国、チリ、ニュージーランドと大地震が起きるたびに提供したが、東日本大震災ではその効果が目立って大きいものとなった。「ビジネスなんて眼中にない」、Googleが力強く語った同サイトへの想いとは。

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開発者が当事者に
身内の無事を確認した瞬間

 東日本大震災から2日間、Googleの河合敬一氏は、心配でいても立ってもいられなかった。同氏はカリフォルニア州マウンテンビューに生活の基盤を置いているが、家族は大津波に襲われた地域に住んでいた震災当日に同地域に住む家族らの無事を確認したものの、祖父だけは安否がわからなかったのだ。

 翌日、河合氏はGoogleの「Person Finder(消息情報)」で検索し、祖父が無事であることを確認できた。河合氏は一般のユーザーではなかった。Googleのプロダクト・マネジャーである同氏は、大震災直後の同サービス立ち上げに携わっていたのである。

 「感激の瞬間だった。Person Finderにはユーザーからたくさんのフィード・バックをもらっており、われわれはこのツールが役立っていると認識している。だがその恩恵を、身をもって体験すると、少し違う感慨がある」(河合氏)

 東日本大震災において、Googleの対応は素早かった。3月11日午後2時46分の地震発生から約2時間後、東北太平洋沿岸各地がまだ水没し、膨大な犠牲者が出た可能性が判明しつつあったころ、同社はPerson Finderを立ち上げていた。

 Googleの広報担当者であるクリスティーン・チェン(Christine Chen)氏は、当時の状況について、「地震に見舞われた人々を思い、何かしなければと思い立ってすぐに行動を起こした社員がいた」と語る。

 「Googleの使命は、『世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること』だ。危機的状況に関する情報も、この『情報』に含まれる」(チェン氏)

 Person Finderは、被災者の安否/消息情報の登録と検索ができるデータベースである。2010年のハイチ大地震後に初めて開発され、Google.orgによって公開された。Google の社会貢献事業部門であるGoogle.orgは、Googleが得意とする情報とテクノロジーの力を生かして、世界的な問題の解決に向けた取り組みの支援やサービスの開発を進めている。

 同サイトはチリ、中国、ニュージーランドでの大地震時にも開設されていた。しかし、今回の東日本大震災向けPerson Finderほど、短期間で情報が収集された‐成功した‐のは初めてだった。4月23日時点で東日本大震災の被災者として登録された数は、62万300件に達している。これは、チリ地震での7万7,100件、ハイチ地震での5万5,100件をはるかに上回る数字だ。

NHK、警察庁、福島県庁…。メディアや
行政の情報がPerson Finderに集まる

 しかし、今回Person Finderが成功したのは、単に登録された情報件数が多かったからだけではない。Googleは日本でも影響力の強い保守的な企業や機関の一部と連携してデータを充実させ、さらにインターネット以外のメディアにも露出してPerson Finderを成功させたのである。

 その筆頭が、日本放送協会(NHK)との協力だ。

 日本の公共放送局であるNHKは、中立性の維持に腐心している。通常の放送では宣伝にならないように企業名には言及しない。そのNHKが震災のわずか5日後(3月16日)からGoogleとの連携を開始した。

 連携を決めた理由についてNHK広報部は、「(Googleが所有する)独自のデータをより多くの人に広めるためだ。行方不明者を探している人に対して、さまざまなメディアが持っている情報にアクセスできるようにすることが手助けだと感じた。巨大なサーバを持つGoogleならば、私たちの持つ情報を的確に発信できると考えた」と語る。

 両者の連携により、NHKが視聴者からの電話を通じて情報収集を行う「安否情報ダイヤル」とPerson Finderが連動するようになった。またNHKの国内向け総合放送の画面最上部に、Person Finderのアドレスが頻繁に流れるようになった。「緊急時には、とりあえずNHK」という人が多い中、この連携は効果があったようだ。

 NHKとの協力開始から数日後、Googleは警察庁と朝日新聞社からもデータの提供を受けるようになった。続いて、福島県庁、岩手県庁、毎日新聞社からも同様の協力が得られた。

 河合氏は「Person Finderは、徐々に定番ツールになっていった」と話す。また、Person Finderは、避難所から寄せられた行方不明者や避難者の名簿画像を基に、テキスト・データを入力するという方法でもデータの蓄積していった。

 当初、この作業はGoogleスタッフが手動で入力していたが、寄せられた画像が4月中旬までに約1万枚にも達したことから、Googleはボランティアの協力も得てデータ入力を行ったのである。

直接命を救うことはできないが
ITを通じて命を救う手助けはできる

 Googleは日本のインターネット市場ではトップには立っていない。他の多くの国とは異なり、その座はヤフー・ジャパンが占めている。しかし、今回のPerson Finderの成功は、日本市場におけるGoogleの存在感の大きさを示す結果となった。Googleは、大規模なエンジニアリング、またローカライズ拠点を日本に置き、パートナー企業やユーザーを着実に増やしてきた。

 しかし、GoogleはPerson Finderの立ち上げと成功は、「ビジネスとはまったく別物だ」との見解を示している。

  「Googleのエンジニアは、地震発生の数分後から(Person Finderの立ち上げ)作業に取りかかっていた。役に立つ情報を、それを必要とする人々にどうやって届けるか、そのことに集中していた。ビジネスなんて眼中になかった」(チェン氏)

 また河合氏は、今回の経験から、Googleという会社の素晴らしさ、そして技術の力の素晴らしさをあらためて実感したと語る。

 「私たちは、直接命を救うことはできない。しかし、命を救うため、情報を探している人々を手助けすることはできる。もしも、この技術とインターネットがなかったら、今回の地震の後、自分がどうしていたのか、想像できない」(河合氏)

(Martyn Williams/IDG News Service東京支局)


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